つるつる路面による転倒事故が発生する日には、共通の特徴があります。
気象データを整理し分析した結果は下記の通りです。
大雪による歩道の雪が気温急上昇で湿雪やシャーベットとなり、その後の気温急降下で凸凹のある非常に滑りやすい氷板(アイスバーン)に。横断歩道は前日夜からの雨で濡れた路面が凍り、非常に滑りやすい氷膜(ブラックアイス)に
2014年12月15日は日降雪量39cmの大雪となり、札幌の積雪は一気に増加しました。その後、0℃前後の気温で推移し、12月19日には10cmのまとまった雪が降りました。
12月20日は二つ玉低気圧が発達しながら北海道に近づき、低気圧に向けて南から暖気が流れ込みました。気温が上昇して朝6時にはプラスとなり、さらに上昇を続けて20日24時に6.8℃を記録しました。20日午後から夜にかけては弱い雨が降りました。低気圧は21日にはオホーツ海に抜け、北海道付近は強い冬型の気圧配置となり、今度は気温が急降下しました。朝6時には気温はマイナスとなり、下がり続けて21日24時には-5.5℃となりました。
このため、大雪の影響を残したままの歩道の積雪は、12月20日の高い気温で融けて水をたっぷり含んだまま湿雪やシャーベットとなり、気温が急降下した21日朝には非常に滑りやすい厚い氷板が形成されました。滑りやすいだけではなく、凹凸や傾斜を残したまま凍ったため(写真1、写真2)、21日朝の通勤、通学時間帯から転倒者が続出しました。
車道の雪は除雪により片づけられ、12月20日の気温急上昇によりほぼ融けて雪がなくなった所も多くなりましたが、20日午後からの雨で濡れた路面が翌21日には凍結し、非常に滑りやすい氷膜が形成されて(写真3)、転倒に拍車をかけました。
12月21日の転倒による救急搬送者の日合計は168人に達し、一時期、札幌市消防局の消防車のほとんどが転倒でけがをした人の救急搬送に対応せざるを得ない緊急事態となりました。
12月22日は気温が上がらず日最高気温-5.4℃の真冬日となりました。日中に11cmの降雪があったものの、つるつる路面を完全に覆い隠すまでには至らず(写真4)、前日からの非常に滑りやすい路面状態はそのまま維持され、午前中は転倒による救急搬送者の多い状況が続きました。22日午後は雪が降り続いたためつるつる路面も次第に雪でおおわれ、救急搬送者も減少しました。
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