車道の雪は車のタイヤで固められたり砕かれたりするほか、車から発する熱で融かされたりします。
歩道の雪も歩行者に踏み固められます。また、車道や歩道には雪を融かす凍結防止剤が散布されることもあります。このように、車道や歩道の雪には、機械的、熱的、化学的な様々な作用が加わることで、自然に積もった雪とは違った表情を見せます。
車道や歩道の雪氷の分類にはいくつか種類がありますが、
基本的な分類として以下の7種類があります1)
路面に積もった乾いた新雪が車の走行などによってかき混ぜられ、道路上にばらばらで粉状になって存在している雪。気温が低いと車の通過により雪煙となって舞い上がります。雪粒の径は0.05~0.3mmで、相互のつながりはありません。
車のタイヤや歩行者によって繰り返し押し固められた雪です。新雪やこなゆきが人為的な力で固められるので、自然状態の雪とは違い、締まって固い板状の雪になります。
圧雪表面がプラスの気温や日射で融け、圧雪に浸み込んだ融け水が凍り、厚さ1mm以上の板状の氷に変わったものを指します。シャーベットが凍ることでも氷板になります。アイスバーンと呼ばれることもあります。
路面上の水の膜が凍ったもので、厚さ1mm未満のものを指します。道路上の雪が融けたり、雨で濡れた路面が凍ることで現れます。ブラックアイスバーンも氷膜の1つです。
融解が進みたくさん水を含んだ雪の状態で、雪粒の間のつながりが弱く、車が走行するとはね上がります。用語としてはあまり使われず、一般にはシャーベットと呼ばれています。
冬みちの雪や氷は、気温や日射などの気象状況や、通過する車や歩行者によって、様々な種類の雪や氷に変化します。道路の雪や氷は1つの種類だけではなく、複数の種類の雪や氷がいくつかの層を形成することもよくあります。
図 道路の雪や氷の変化
乾燥路面や濡れている舗装路面の滑り摩擦係数は0.45以上ですが、路面が雪や氷に覆われると、摩擦係数は小さく滑りやすくなります。非常に滑りやすい圧雪の摩擦係数は0.10~0.20、非常に滑りやすい氷板や氷膜の摩擦係数は0.05~0.15と小さく、これらの路面はいわゆる「つるつる路面」と呼ばれています。
非常に滑りやすい路面は「つるつる路面」と呼ばれます。つるつる路面には、氷膜、氷板、圧雪の3種類があり、それぞれ成因が異なります。
融雪水などが浸み込んだ圧雪が気温の低下した夜間などに凍り、表面がタイヤや靴で磨かれたりして非常に滑りやすくなった状態です。 厚さは1mm以上で、十数cmの分厚い氷板になるときもあります。表面が比較的滑らかで、0℃前後の比較的気温の高いときに非常に滑りやすくなります。外見はやや黒く、氷膜のつるつる路面と同様に、車のライトを受けると反射して光ります。
道路に積もった雪は時間とともに変化します。特に、車道では車で押し固められ、あるいは車の停止や発進の際にタイヤで磨かれたり、また車から発する熱で融かされたりするため、自然界では見られない特徴的な姿かたちになることがあります。そのいくつかをご紹介します。
つるつる氷膜やつるつる氷板で、特に表面が滑らかで鏡のような路面を「ミラーバーン」と呼ぶことがあります。きわめて滑りやすいので転倒事故や車の衝突事故につながります。
写真は2018年12月30日の深夜、札幌の繁華街すすきの地区。日中、約-2~0℃の気温の下で降った降雪が日射で融け、夕方になり日が暮れてから凍り、つるつる氷膜と氷板を形成。表面は鏡のように滑らかでスケートリンク状態。歩くのもおぼつかない状況でした。
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