救急搬送者数の推移
転倒による救急搬送者数は増加傾向
- 転倒による救急搬送者は、年度による差はあるものの、増加する傾向にあります。
- 平成24年度には12月~3月の救急搬送者が1300人を超えました。
- 平成30年度から令和2年度にかけては、転倒による救急搬送者が比較的少なく経過していました。
- 令和3年度は、12月~3月の救急搬送者が1290人で、救急搬送者が再び増加しました。
- 令和5年度は、12月~3月の救急搬送者が1748人となり、過去最多の救急搬送者数となりました。11月の救急搬送者も139人であり、11月~3月の合計の救急搬送者は1887人に達しました。
- 全人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)も30%に達する勢いで増加しており、高齢化の進行とともに、救急搬送者が増加していることも考えられます。
どこで発生しているのか?~多発地域の整理
転倒事故(転倒による救急搬送)は「すすきの地区・大通地区」が多い
- 転倒による救急搬送は、「すすきの地区・大通地区」に集中しています。札幌駅周辺や札幌駅からすすきの駅までの駅前通り沿いで、あまり多く発生していないのは、地下街や地下歩行空間、ロードヒーティングの整備状況などが影響している可能性があります。
- すすきの・大通地区以外では、新札幌駅、琴似駅、澄川駅、西18丁目、麻生駅、白石駅、北24条駅といった地下鉄駅の周辺で多く発生しています。
- すすきの・大通地区以外で4番目に多い宮ヶ丘には、北海道神宮や円山公園があります。
年齢層別の比較~搬送者数の経過
加齢とともに転倒によって救急搬送されやすくなる
- 転倒による救急搬送者は70代が最も多く、 80歳以上が2番目に多くなっていました。
- 人口10万人あたりの転倒による救急搬送者数は、年齢が上がるとともに高くなっており、年齢層が高くなるとともに、転倒事故で救急搬送されるリスクが高くなると言えます。
年齢層別の救急搬送者数の推移(平成8年度~令和5年度)
人口10万人あたりの年齢層別救急搬送者数の推移(平成15年度~令和5年度)
年齢層別の比較~けがの程度
加齢とともに転倒によって大きなけがを負いやすくなる
- 高齢になるほど転倒事故で重症を負う人が多くなる傾向が見られます。
- 80歳以上の救急搬送者は、半数近くが中等症より重いけがとなってしまうことがわかります。
- 30代から60代にかけては、ほぼ同じ程度の割合ですが、30代、40代の方が中等症の割合がやや高い傾向があります。
年齢層別・けがの程度別の救急搬送者の割合(平成8年度~令和5年度の平均)
年齢層別の比較~搬送時間帯
日中の時間帯に救急搬送されているのは65歳以上の方が多い
- 9時~16時の時間帯は65歳未満に比べて、65歳以上の救急搬送者が多くなっています。
- 17時以降は65歳以上の救急搬送者が減少する一方で、65歳以上の救急搬送者は22時ごろまでほぼ横ばいの傾向になっています。
男女別の比較~けがの程度
女性は中等症がやや多い
男女別、けがの程度別救急搬送者数(平成8年度~令和5年度の平均)
男女別、けがの程度の割合(平成8年度~令和5年度)
年齢層別・男女別の比較~搬送時間帯
日中の時間帯に救急搬送されているのは60歳以上の女性が多い
- 9時~17時の時間帯は60歳以上の救急搬送者が多くなっており、特に女性の救急搬送者が目立っています。
- 60歳未満の救急搬送者について、6時~20時は男女ともほぼ同じような変化をしていますが、21時以降、男性は救急搬送者が増加する傾向があります。
年齢層別・男女別の比較~けがの程度
60代より高齢になると、女性の中等症の割合が高くなっている
- 20代~30代、40代~50代は女性に比べて、男性の方が、中等症、重症の搬送者が多い傾向にあ ります。
- 60代~70代、80歳以上では、男性に比べて、女性の方が、中等症の搬送者が多くなっています。
- 80歳以上女性では、中等症が全搬送者の半数以上を占めています。
- 女性は年齢が高くなるとともに軽症の割合が減り、中等症の割合が高くなっています。
年齢層別・男女別のけがの程度(平成8年度~令和5年度の合計)